今回の旅の目的は、商品の買い付けとともにルーマニアのトランシルバニアを訪れることにありました。ブダペストの蚤の市や古いテキスタイルを扱う店でよく見かける、独特のモチーフの赤や青一色のあたたかみのある刺繍。時々トラムの駅や温泉の外でもプリーツの入った民族衣装のスカートをはき、頭にはスカーフのおばあさんが同じような刺繍のテキスタイルを売っているのを見かけます。
これはトランシルバニア地方の刺繍だと聞き、そのうちぜひ訪れてみたいと思っていました。トランシルバニアと聞いて、最初はドラキュラ以外思いつかなかった私ですが、去年知り合いがトランシルバニアを旅行した時のビデオに、馬車、ガチョウ、おばあさんがすごい田舎を背景にカメラの前を通っている映像があったなあと思い出しました。 調べてみると、トランシルバニアは第一次世界大戦前まではハンガリー領でハンガリー人も多く住み、伝統文化を守って暮らしているそう。
ハンガリーとルーマニアの国境近くの都市までゆけば、列車かバスがあるはずと思い、セゲドまで行ったのですが、あまり接続がよくなくて、クルジまでたどり着くのに1日近くかかってしまいました。どうやらブダペストから直接列車に乗った方がよかったようです。
セゲドから途中で乗り換えの駅、Bekescsabaでは次に乗り継ぐ列車まで4時間あったので駅に荷物を預けてうろうろすることに。中心へ向かう途中に手芸屋、生地屋を発見、可愛い生地やテープを購入。古いスロバキア人の農家が見学できると聞いたのでいってみるとちょうどお昼休みで閉まっていて、覗くととても素敵だったので残念でした。
ルーマニアでも2回乗り継いだのですが、タクシーの運転手が駅でチケットを買うのを手伝ってくれたり、ホームで一緒に次の列車を待っていたロマの女性が私のコンパートメントまで遊びに来たり、大学生らしいハンガリー人2人がおしゃべりしに来たりと他の国、とくに西欧に比べると人との距離感が近い感じが不思議でした。気温の少し下がる夜、窓を開けるとハンガリーよりも湿気を多く含んだ風が入って来てなぜか感傷的な気分になりました。
クルジナポカでは若い夫婦と子供2人、旦那さんの母親がいるお家のプライベートルーム(といっても、離れになっていてシャワーもトイレもついていました)に泊まりました。
翌日、Rimiteaという小さなハンガリー人の村に行ってみることに。20そこそこの若い奥さんはとっても親切で、用事のついでに一緒に駅まで来てくれたり、バスの時間を調べてくれたりしました。 バスはRimiteaまでは行かないそうで、バスの運転手さんにRimiteaに一番近いところで降ろしてもらいました。歩いて3kmとのことでした。
誰もいない、田舎の道をてくてく歩いて行くと、暫くして売店がありました。
そこの人達に、Rimiteaはどこですか?と聞くと、あと8km先とのこと。英語の流暢な男の子に、「歩いていくつもりなの?泊まる所はRimiteaにあるの?帰りはどうするの?」と言われ、泊まる所はないけど日帰りするつもりだと言うと、「歩くと遠いからヒッチハイクをするといい、車を止めてたのんであげる」といって通りかかった車を止めてくれました。
ちょっと心配だったのですが、「ルーマニアではヒッチハイクは一般的で、この人達はお金はいいっていっているけど普通はバス代くらいのお金を渡すのがきまり」といわれたので安心しました。「帰りはBuruっていう村まで行けば、そこからバスがでてるし、Rimiteaでもきっと英語のできる人がいるから大丈夫」とのこと。
男の子と子供達に「何人?ルーマニアの印象は?なんでこんな所旅行しているの?」と色々質問され、そこのおばあさんは甘いサクランボをひとつかみくれました。 Rimiteaに到着すると、そこはとても静かな村でした。小さな古い農家が沢山あり、ときどきおばあさんやおじいさん、ガチョウなどをみかけ、バルコニーにいる女の子が笑顔で手を振ってくれたりしました。見るものといえばハンガリー伝統の独特な曲線の装飾的なゲート、お家、教会、水車、そして小さな博物館。博物館にはこの村の伝統衣服、刺繍、お家の内部を再現した展示などがあり、どれもとっても素敵でした。 村の写真です。
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